2007年08月19日

ご当地葬儀事情(2)

隣組といっても規模は様々で
ほんとに向こう3軒両隣程度の組もあるけれど
うちの組は17軒もの大所帯。どっちもそれぞれ大変さがある。

さて葬儀当日。
旦那が何度も何度も各家を走り回った甲斐あって
出棺が聞いていたより10分以上早くなるというハプニングはあったものの
お見送りの人もそれなりに揃い
斎場にはKさんもギリギリ間に合って駆けつけ
4軒を除く家々からお手伝いの人が出て
その数に引けを取らない大勢が会葬し、それは立派なお葬式となりました。


式の直前、またもMじい。
M「組の香典も包んだのかね」
旦「はい。用意してきました」
M「そうなると、各家のと二重に出す事になるな」
旦「この前のFさんの時もそうしたものですから……」
M「組の分は『お見舞い』で包んだ方が良かったかな」
旦「は、『お見舞い』ですか?」
カ「ああ、そうね。そのほうが良かったかしらね」
私「私、包み直してきますっ!」(←そのまま飛び出す勢い)
M「まあ今回はいい、いい。次からということでせ」

土地っ子の旦那が知らず、仕事柄私の方がピンと来た
葬儀のお見舞いとは――。




これもこの地域独特の慣習で
病気で亡くなった方の葬儀に参列する場合、お香典とは別に
「お見舞い」として、なんと紅白の熨斗袋にお金を包んで出すのですよ!
たぶん、遺族に対して生前力になれなかったお詫びのしるしとして
お渡しするものだと私は理解しているのだけど
お香典と違ってこのお見舞いには、遺族側からお返しをしないのが基本。

それにしても、なにゆえお葬式にわざわざ紅白の熨斗袋。
まさに《地元の常識は世間の非常識》の典型で
マナーの先生など、これについては
ことあるごとに「無地の封筒を使いましょう」って啓蒙されてるけど
実際にはなんのその、皆さんバンバン紅白の袋を持ってこられる。
それを見てると私なんか「そんなものかなあ」って気になってきたけど
旦那は未だに「絶対おかしい!」って言ってます。


帰宅後。
私「ねえ、うちら今回は随分鍛えられたけど
 これってこの先、何かの役に立つのかしら?」
旦「さあ……図太い年寄りになれるんじゃない?」
私「どんなふうによ」
旦「そりゃあ若いヤツをこき使って走り回らせるのさ。けっけっけ」

旦「でも俺、自分の葬式は絶対隣組の手なんか借りないで
 うちうちでやればいいって……
 いや、葬式なんかやらなくていいって思ってたけど」
私「うん?」
旦「本家のバアチャン(義母)は絶対許さないだろうなあ」

……旦那はバアチャンをいつまで長生きさせるつもりなんだ?


すんごい疲れたので、諸々の反省はまた後日。
posted by 水島美也子 at 11:20| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記071 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ああ、お暑いのにお疲れさまです。
葬儀にはいろいろな考え方があると思いますが、今回のケースはどなたも満足されたことでしょう。
しかし……「使える夫婦」とみなされていますね、確実に。

>旦「そりゃあ若いヤツをこき使って走り回らせるのさ。けっけっけ」
そういう若いヤツが見つかることをお祈りしております(笑)。
Posted by はれるやん at 2007年08月20日 09:15
>「使える夫婦」とみなされていますね

そんなことないよ〜〜(本日の記事参照)。
「いじり甲斐のある夫婦」とは思われたかもしれないね。

なんか自分の感覚が、どんどんどんどん保守の方へ引っ張られていって怖いよ〜。
Posted by 美也子 at 2007年08月20日 10:02
絶対役に立ちます。
こういうのを知っているとね、人間として深みが出ると、私は思います。
きっと大事なことなんだろうな、と思う。

って、そんなことよりもね・・・
私がこんな事を言うのは、まあ全然意味がないけど・・・

前回の最初の会話(旦那さんと爺様の)、文学小説でも読んでいるみたいでした。
村の葬儀で1本書けるんじゃないですか?
そうしたら、隣組の経験も、この先すごく役に立つし(笑)。
続きが読みたいなぁ・・・
Posted by みんつ at 2007年08月20日 19:11
>こういうのを知っているとね、人間として深みが出ると、私は思います。

そ、そうかなあ。私はむしろ、知れば知るほど自分が性悪になっていく気がするぞ。

>村の葬儀で1本書けるんじゃないですか?

やあっぱりぃ?(笑)
いや、奥田英朗さんの「町長選挙」(みんつさんは知らないか)みたいなノリで料理できたら面白かろうな、とは私も思うんですよ。
タイトルはずばり「隣組長」せ。

大きな問題は、関係長老全員鬼籍に入るまで、怖くて発表できないことだわね。
Posted by 美也子 at 2007年08月21日 10:00
性悪と言うから聞こえが悪いんであって、老練とか、経験豊富とか、酸いも甘いもかみ分けたとか・・・笑。
知っていて敢えてやらない、これが格好いいのです。
どっちにしても、無垢の美で人生渡って行くには、天性の才が要るでしょう?

『隣組長』絶対面白いと思います。
もうね、あの最初の会話で、ぐっと話に引き込まれますから。
発表は長老方の鬼籍(こんな言い方も、素敵ですよね)を待つとして、私にこっそり読まさせてくれるとか(笑)?
Posted by みんつ at 2007年08月21日 18:03
おお、そーゆー女子中学生の回覧ノートみたいなノリは大好きです。

そうなるとこれは、都会から来た超個人主義・合理主義者のヒロインが、隣組長の嫁としてご近所中から鍛えられ、酸いも甘いもかみ分けて、芙蓉の花のような笑顔の下に性悪な心を秘めたしたたかな田舎の嫁の鑑に成長していく物語になるわけね?
ヒロインのよき理解者で相談相手として、アルプスのド田舎在住の華恵さんは不可欠ね。ほれ、スイスのネタも出て、ど〜〜んと国際的なスケールに展開するわけ。
電動アシスト付自転車でメール便の配達をする鄙にはまれな謎の紳士も投入しよう。ヒロインを支える役どころで。
隣組1番のうるさ型の権藤鉄男は、この紳士の亡妻・蝶子さんを若い頃奪い合って負け、生涯独身を通して偏屈爺さんになっちゃったの。
でもって、権藤を裏で操る片平みづゑ夫人は、紳士に密かに思いを寄せていて、別の男と結婚するもうまくいかず離婚。なぜか紳士と仲の良い新参者のヒロインに複雑な感情を持っているの。

……あれ、なんかどんどん違う話になってきてる?
Posted by 美也子 at 2007年08月22日 09:12
あ、わかった。
謎の紳士は奥さんを亡くしてから世捨て人のような生活を送っていたんだけど、健気なヒロインに目を開かれ、遂に、かねて要請のあった町長選の出馬を決意するの。
人望の厚い紳士が無投票で町長確定か?――と思われた時、隣組制度全廃を公約に掲げる若い対立候補が出現! なんとそれがヒロインの旦那なのさ。
怒り狂った権藤は、過去の確執を水に流して、紳士でんちゃんの支援を表明。あわやヒロイン、村八分か??

ところが近隣市町村の若い世代から、「隣組がない村になったら移住したい」という声が続出。小さな町の町長選が、全国から注目されるコトに……。

さあ、ヒロインどうするのっ? そして不気味な沈黙を守る片平夫人は……。



し〜らない。
Posted by 美也子 at 2007年08月22日 10:02
ああそうか。ここで葬儀が勃発すればいいんだ。
喪家は隣組のお手伝いを望んでいるけど、隣組全廃主義で選挙戦真っ最中の組長、どうせやる気は無いよね、という組の白い目。
組長の旦那はもちろん逃げ腰。
私やりますっ! と突っ走り始めたヒロイン……。

ふうん。
Posted by 美也子 at 2007年08月22日 10:42
亡くなったのは権藤の母親なのね。
選挙中の旦那に代わって葬儀委員長になったヒロインを、手取り足取り懐柔……いや導くのは片平夫人。
隣組をなくすという候補者の嫁が、隣組長代理で葬儀委員長を務める皮肉な事態に、マスコミの取材が集中。
売名行為だ、いや、マイナス効果でしょう、様々な意見が飛び交う中、葬儀はワイドショーで全国に生中継されるコトに。
目立ちたがり屋の権藤は大喜び。ヒロインの夫の対立候補・でんちゃんが弔辞を読んだから、マスコミも大喜び。
喪主あいさつで隣組のありがたさを涙ながらに語る権藤。
さて、葬儀委員長のヒロインは……うきゃきゃきゃきゃ。
Posted by 美也子 at 2007年08月22日 10:54
なんかこの町、仲が良さそうねえ
これだけご近所づきあいがあれば、1人暮らしでも安心かも――
ワイドショーの効果は絶大。老若男女の美しき誤解に彩られ、小さな町はいつの間にやら「住んでみたい田舎ナンバーワン」に祭り上げられたとさ。
葬儀を終えたヒロインは、煩わしい選挙を逃れてスイスの華恵さんとこへ高飛び。
テレビ映りのよさで選挙に圧勝したでんちゃんが、助役にヒロインを任命した事など知る由もない――


みんつさん、とりあえずこんなんできました。おしまい。
Posted by 美也子 at 2007年08月22日 11:06
おお〜(笑)。

電動自転車でメール便を配達する謎の老紳士は、良いですね。
この人は、村の誰ともつかず離れずの関係を保っていて、そのくせ村のうるさ方からは何故か一目置かれていて・・・・・・ヒロインが知らないだけで、多分本当は、村の一番の由緒ある家の末裔、とか。でも訳ありだから、みんなそのことには触れたがらないで。
で、ヒロインが困っていると、いつも何気なく的確なアドヴァイスをくれて。

隣組がなくなったら移住したい若者達・・・これも面白い。
これに賛成な人達に担がれて(この村自体若者の村離れが、深刻な問題だし)、ヒロインが町長選に出ざるを得なくなって。

そんな時に葬儀が起こり、これはあくまでも伝統的に行われて、ヒロインはその煩わしさと共に、そこに流れる特有の美や心を感じ、成長し・・・
最終的には、まあ何となく権藤とも和解したようなしないような・・・

葬儀の始まりから終わりで1本、っていうのも良いですよ。
こてこての伝統的な葬儀を仕切らざるを得なくなった、都会育ちのヒロインの戸惑いとか。

女子中学生の回覧ノート・・・・・・
実は私、これがなんの事か、良く分らないんですけど。
Posted by みんつ at 2007年08月22日 17:30
>村の一番の由緒ある家の末裔
そうそう。
東京にいた昔の城主の末裔が、呼び戻されて村長さんやってる実例もあります。
ま、そんな感じで。

>女子中学生の回覧ノート
創作ノートを授業中に回し読みするという伝統が、日本の女子学生には連綿と受け継がれているようですよ。
最近ならゲームやアニメの2次創作とか。
私はやっていませんが(笑)。
Posted by 美也子 at 2007年08月23日 08:09
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