2006年12月28日

こういうこと

「ことのは」問題について、今も関心を持っている人は
非常に少ないと思うのだけど
聖夜のバトル以降ちょっとごたついていて
黙っていればいいものを、部外者の私も発言してしまったものだから
一応、記録しておこうと思う。

逐一エントリを拾うことはしませんが、何の話? と思い
時間と労をいとわれない奇特な方がもしいらしたら
「備忘録ことのはインフォーマル」http://d.hatena.ne.jp/matsunaga/
「黒崎夜話」http://kurosaki-yowa.seesaa.net/
「AnotherB」http://d.hatena.ne.jp/BigBang/
の最近の記事を見渡していただければ、なんとなくわかるかも?

で、いきなり何の関係もない作家さんのブログを引用させていただきますが
つまりは、こういうことなんだと私は思う。

 ネット以前の世界では、「人の噂も七十五日」である。不当な噂(=情報)を流されても、無視しておけば、時間がそれを淘汰してくれる。web1.0的な世界では、七十五日では消えない代わりに、情報は常に、特定の何処かの場所で、特定の誰かが発する言葉だった。佐藤亜紀氏の言葉は、彼女のHPを訪れた人が、彼女の見解として理解する。だからこそ、私はそれを、私とは関係のない、彼女自身の問題としてそのままにしておいた。しかし、web2.0的な世界はそうではない。そこで情報は、最早誰のものでもない匿名の言葉となり、匿名の知となって、世界中を駆け巡る。誤った情報を放置しておくと、単にそれが何時までも残り続けるというだけではなく、様々な人の手を経て増幅し、増殖する。クリックされる度に、検索サイトの上位に押し上げられ、コピー&ペイストでブログを行き来し、トラックバックで参照され、論評されたり印象が語られたりしながら、利用者の共通の認識として定着してゆく。その象徴的な存在の一つが、wikipediaである。

 wikipediaの「平野啓一郎」の項目の記述は間違っているが、その一因は、確かに、私のこれまでの「怠慢」のせいなのだろうと感じた。私の読者は、あるいはあれを不快に思って、訂正したいと感じたことがあるかもしれない。しかし、訂正の「根拠」となり得る私の側からの(あるいは新潮社の側からの)言葉はこれまでネット上に存在していなかった。私自身が勝手にあの内容を訂正したとしても、現状では、その訂正を支持する情報がネット上に存在していないのだから、たちまち誰かに元に戻されてしまうだろう。結果としてみれば、そこで情報は、真実からまた遠ざかるのであるが、しかし、ネット空間内での情報に対する振る舞いとしては、これは完全に正しいのである。

 だからこそ、私は今、この6年前の出来事に関して、私自身の言葉を「参照可能な情報」として、新たにネット空間に付け加える必要を感じた。そこで行き交う言葉のフローに、真実を語る私の言葉を投げ込まなければならないと考えた。何故、今か? このタイミングは、事件に対する私の「感情的な変化」によっているのではない。そうではなく、「環境の変化」によって求められたのである。時が解決してくれる、無視して関わりを持たないといった態度は、今日にまで至る長い人間の歴史の中では、不当な出来事に「巻き込まれた人間」が取り得る態度として、必ずしも消極的だというわけではなく、恐らくは、賢明であり、かつ有効なものと信じられていた。現実の世界の至る場所で語られていることに、いちいち反論して回るのは事実上不可能だったし、そのために人生の貴重な時間を費やすことが、無駄と感じられ、愚かしく見えたからである。しかし、それが「変わった」のである。しかも、まさしく今、「変わった」のである。

 web2.0以降、「巻き込まれた人間」は、ただ黙っていても、状況を改善されず、それどころか、悪化させてゆくこととなった。重要なのは、その悪化が、必ずしも「悪意」によってもたらされるのではなく、情報に対する個々人の正当な行為の結果として、もたらされるという事実である。その状況を不当と感じるならば、自らが積極的に、新しい情報となる言葉を発しなければならない。それは、具体的な個々の情報をターゲットにして、論駁することよりも、むしろ、その情報を巡る言葉の「流れ」に作用することが期待されている。しかし、その行方は誰にも分からない。梅田氏は、web2.0的世界では、最終的には51対49であっても、「正しいこと」が勝利するのではないかという見解を私に語った。私は、私自身の具体的な問題として、この見解について今真剣に考えるが、しかし、情報となる言葉を発しなければ、「正しいこと」であっても、100対0で敗北し得るのである。

平野啓一郎公式ブログ
「web2.0的世界において、「名誉」を守るということについて」2006・9.15

http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/20060915

上記引用(太字水島)は、佐藤亜紀氏が平野啓一郎氏のデビュー作『日蝕』を
自作の盗作であると自身のHPで述べた事に対して
平野氏から初の見解を示した文章の一部で
6年を経て口を開いた理由を述べた箇所。


「ことのは」問題に関しても詳細の説明は避けるけれども
ネット上の活動に端を発した現実の社会問題であることは確かで
BigBangさんが、関係者の発言や検証作業について
ネット上で公開、記録され得る範囲のもののみを採用することにこだわったのは
平野氏の論に通じる理由からだと私は理解している。

この件での当事者は
泉さん、松永さん、umeさん、BigBangさん、黒崎さんであり
ほかは末端の私を含め、すべて外野に過ぎない。

BigBangさん、黒崎さんは、他の3者への追求を始めた段階で
「巻き込まれた人間」であると同時に、巻き込む側にもなった。
おふたりはそのことを自覚しておられる。

しかし、泉さん、松永さん、umeさんについては
どうも発言に「巻き込まれた人間」としての被害者意識しか読み取れない。
たぶん、本心からご自分たちが平野氏と同じ立場だと思っておられるのだろう。
だから根本的に話が噛み合わず、低次元なバトルにしかならない。
人の関心も薄れていく。あるいは、注視していても口を挟む気になれなくなる。

加えて、長引いてこじれるほどに「ことのは」問題では
松永さんの仰る「書いたら文句を言われるのが目に見えている状況」が
口を挟むすべての人に当てはまるようになった。
どう発言しても、誰かがどこかで「文句」を言う。私もそのひとりだろう。
もうやめようと思いつつ、ずるずる引きずってしまうのは
やっぱり一方の方たちの牽引力のせいなんだろうなあ。

平野氏のような責任の取り方は
webでの活動がお仕事にも重要な位置を占める人にこそ
避けて通れない大事なことなんだけどなあ。
平野氏でさえ、「名誉」を守るために必要な行為とされている。
これからって人なら、「名誉」どころの問題じゃないでしょうに。
――って、いらんお節介を書くと「ほのめかし」って言われるのか。
posted by 水島美也子 at 11:47| Comment(10) | TrackBack(3) | 日記062 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>「巻き込まれた人間」であると同時に、巻き込む側にもなった。

ん? 黒崎さんの場合は順序が逆でしたね。
Posted by 美也子 at 2006年12月28日 12:21
新たに太字箇所を加えました。

>その状況を不当と感じるならば、自らが積極的に、新しい情報となる言葉を発しなければならない。それは、具体的な個々の情報をターゲットにして、論駁することよりも、むしろ、その情報を巡る言葉の「流れ」に作用することが期待されている。

松永さんが1番やり方を間違えているのは、ココだと思うし、エレニさんが黒崎さんに「悪意ではないにしてもアンタちょっと黙ってなさいっ」って言いたくなったのも、そのせいなんだろうな。
Posted by 美也子 at 2006年12月28日 12:46
ネットの世界は「人の噂も75日」では無く・・記録されていて・・噂とは違いますね・・考え考えながら拝読させたいただきました。

サテサテ・・今年もあと僅かになりました・・あっという間の一年でしたが有り難うございました・・流石に美也子さんは・年賀状を書き終わられましたが・・でんちゃんはまだでございます・・ブログは来年も続けていきたいと思います・・生きがいになったみたいで・・来年もよろしくご指導のほどお願いいたします。

健康に気をつけて良いお年をお迎えくださいね。
Posted by でんどう三輪車 at 2006年12月29日 00:09
どうもです、今年はお世話になりました。
コメント全文引用させていただいて恐縮しております。
とか、年末ですし、ご挨拶まで。
(苦笑)
Posted by 黒崎 at 2006年12月29日 17:07
でんどうさん
今年もお世話になりました。
日経新聞によると、これからは団塊の世代がブログになだれ込むだろうと。
マナーにうるさいブログ初心者と若い世代の間で、ひと悶着勃発するんじゃないかという記事がありました。
……
年賀状書き終えてから、疲れてのんびりしちゃってたので、今になって少々焦っています。
でんどうさんも奥様と良いお正月をお迎え下さい。
Posted by 美也子 at 2006年12月30日 15:22
黒崎さん
こちらこそお世話になりまして。
スルーするつもりはさらさらないんですが、どうにもコメント返しづらくて……(笑)。失礼いたしました。
あと、某市役所職員の南君はイケメンなのかずっと気になってるんですが、黒崎さんは知らないですよね?
ではでは、気をつけてお出かけくださいませ。
Posted by 美也子 at 2006年12月30日 15:25
いや、鮫の舎弟ですから超イケメンってことはないでしょうが、微妙にいいセンスはしてますよねw
Posted by 黒崎 at 2006年12月30日 16:54
私が今1番セクスィ〜だと思うのはこの人です!
http://www.cubeinc.co.jp/members/prf/007.html
Posted by 美也子 at 2006年12月30日 22:31
うーん、何を言ってるかわかりません。
Posted by 松永 at 2007年01月06日 14:18
松永さん
わざわざどうもです。が
そういうこまめな反応は要らないんじゃないの?
ってことを言っているのでした。
Posted by 美也子 at 2007年01月07日 09:32
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